化学辞典 第2版 「共生関係」の解説
共生関係
キョウセイカンケイ
symbiosis
単に共生ともいう.異種生物個体が機能的に補いながら一緒に生活していること.マメ科植物と根粒菌の関係や,ほ乳動物と腸内細菌の関係などがある.根粒細菌はマメ科植物の根に感染して根粒を形成し,栄養をもらいつつ空中窒素を固定し,窒素源として植物に供給する.腸内細菌はセルロースの分解を助けたり(草食動物の場合),ビタミン類を合成して動物個体に提供したり,尿素を分解して栄養源として戻したり(冬眠動物の場合)する.細胞内小器官で独自のDNAを有するミトコンドリアや葉緑体も,起源的には細胞と共生関係にあったと推定されている.原型となった細胞とミトコンドリアや葉緑体に似た機能をもった微生物が,長い時間をかけて一体化し,現在のような動物細胞と植物細胞になったと考えられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報