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根粒細菌 コンリュウサイキン

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デジタル大辞泉の解説

こんりゅう‐さいきん〔コンリフ‐〕【根粒細菌】

根粒菌

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

根粒細菌
こんりゅうさいきん
[学]Rhizobium

マメ科植物の根に相利共生するグラム陰性の好気性細菌根粒細菌が侵入したマメ科植物の根部分は異常肥大成長して粒状となる。これは根粒細菌がオーキシン作用をもつ物質を生産し、側根の発生を刺激するためであるが、のち、側根の成長は、その物質によって抑制され、肥大して粒状となる。根粒細菌は2~6個の周鞭毛(べんもう)ないし極鞭毛をもち、ある種は莢膜(きょうまく)(細菌細胞の外側にある粘性の厚い層)を形成する。根粒中の細菌は、若い根粒内では桿(かん)状を呈する(0.5~0.9×1.2~3.0マイクロメートル。1マイクロメートルは100万分の1メートル)が、その後、分岐状(Y形、X形、星形など)や棍棒(こんぼう)状、または球形などの不規則な形態、つまり典型的なバクテリオイド(構造が変形した細菌)となる。寒天培養基上の根粒細菌の集落(コロニー)は、円形、レンズ形で隆起し、半透明で粘性を帯びる。いろいろな種類のマメ科植物から純粋培養された根粒細菌は、形態および培養所見のうえからも性質が互いに類似しているが、植物へふたたび接種すると、かなりの程度、宿主(しゅくしゅ)(寄生対象となる生物)に対して特異性を示す。たとえば、ルピナスとエンドウの根粒菌は相互に宿主の交換はできない。しかし、エンドウ、レンズマメ、ソラマメの根粒菌は交互に接種可能である。
 根粒細菌は土壌に広く分布しているが、その数量は土壌の来歴によって異なる。マメ科植物の根は、土壌中の根粒細菌(その植物に特異性をもつもの)を増殖促進する働きをもっている。根に形成された根粒数は、土壌中の根粒細菌の密度(1グラム当り104まで)に正比例する。
 根粒細菌とマメ科植物の根との相利共生は、両者を集団的にとらえたものであって、感染の当初は病原体と宿主との関係に類似している。そのうえ、バクテリオイドは最終的には宿主に消化吸収されてしまうものである。それにもかかわらず相利共生といわれるのは、宿主が一時的に土壌中の根粒細菌の増殖を促進し、感染した根粒細菌は宿主に固定した窒素を供給するためである。しかし、宿主と親和性のない根粒細菌は、窒素を固定せず寄生的である。なお、根粒細菌は根粒の外では空中窒素の固定はまったく行わない。農作業でマメ科植物を新しく栽培するとき、あらかじめ根粒細菌を接種したうえで種を播(ま)くのは、この相利共生を利用するためである。[曽根田正己]

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