内海跡村(読み)うちのうみあとむら

日本歴史地名大系 「内海跡村」の解説

内海跡村
うちのうみあとむら

[現在地名]安浦町安登あと川尻かわじり小用こよう

南と東は海に面し、西は川尻村(現川尻町)、北は中切なかぎり村に接する。四周を標高二〇〇―三〇〇メートルの山で囲まれるため、陸海から隔絶された観がある。南西海浜の小用浦(現川尻町)は枝郷とされるが、川尻村との関連が深い。野呂のろ山に源を発し、村内を東流する大坪おおつぼ沖田おきたの小河川は、村内で合して北流し中切村に入るが、耕地はその流域にある。村域海上に湯桶口ゆとうぐち島が浮ぶ。

元和五年(一六一九)の安芸国知行帳に「阿戸村」として村高四〇八・四四石とあるが、広島藩御覚書帖は内海跡村としている。「芸藩通志」には「もと跡部氏の居たるを以、村名にありたるか」と記し、同郡内にある二つの阿戸村を区別するために内海跡村・熊野跡くまのあと(現広島市安芸区)と名称を改めたとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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