国指定史跡ガイド 「円覚寺庭園」の解説
えんがくじていえん【円覚寺庭園】
神奈川県鎌倉市山ノ内にある庭園。庭は1889年(明治22)の横須賀線の敷設や県道21号の開通によって、方形の広場は痕跡をとどめないが、往時の面影をとどめていることから1932年(昭和7)に国の名勝・史跡に指定された。円覚寺総門の手前の線路を隔てた踏切の向かい側には、白鷺池(びゃくろち)と称する左右相対の方形池が広がり、両池にかかる石橋「降魔橋(ごうまきょう)」が現存して総門に通じている。仏殿後方の方丈庭園は、建武年間(1334~36年)に夢窓疎石(むそうそせき)が作庭したものといわれている。この庭は妙香池(みょうこうち)と称する心字池を中心に築かれており、池は岩盤を掘り下げてつくられたもので、池の北岸にあたる山側には波浪の浸食を擬した虎頭岩(ことうがん)が配されている。JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩すぐ。