鉄道と道路が交差する場所の設備。2019年度末時点で3万3004カ所あり、遮断機と警報機付きの第1種は2万9717カ所、警報機のみの第3種は684カ所。第4種は全体の7・9%で警告標識などが掲げられている。第2種は係員が手動で遮断機を操作するもので現存しない。現在の国の技術基準は、鉄道と道路は立体交差を基本とし、例外的に踏切を設ける場合も遮断機か警報機の設置を求めている。第1種踏切でも長時間待つ「開かずの踏切」の解消が課題になっている。
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鉄道と道路が平面交差するところに設けられ、道路交通を調整することにより、列車運行および道路交通の安全を確保するための設備。ただしJRでは、無舗装のもの、および駅構内等でもっぱら職員もしくは旅客の通行または荷物の運搬に供する通路を除くと定義されている。鉄道や道路の交通量が少ない場合は、踏切道でも相互の交通量をまかなえるが、経済の発展に伴い交通量が増加すると、1日当りの踏切自動車交通遮断量(二輪を除く自動車の1日当りの交通量に1日当りの踏切遮断時間を乗じた値)も多くなり、踏切事故の増大、事故の大型化をきたす。このため法令に基づき、踏切道における交通量、踏切事故の発生状況、都市計画等の事情を考慮して、踏切の立体交差化または踏切の構造改良(幅員差の解消、舗装の改良、交差角、勾配(こうばい)、見通し等の改良)、保安設備(踏切遮断機、踏切警報機)の整備が行われている。
踏切は保安設備により次のように区分される。
(1)第1種踏切 自動踏切遮断機を設置するかまたは踏切保安係を配置して、列車または車両の通過に際して遮断機を閉じ道路を遮断するもの。
(2)第2種踏切 1日のうち一定の時間だけ、列車または車両の通過に際して踏切保安係が遮断機を操作しているもの。
(3)第3種踏切 踏切遮断機は設置されていないが踏切警報機は設置されているもの。
(4)第4種踏切 踏切遮断機も踏切警報機も設置されていないもの(第1種~第3種以外の踏切道)で踏切警標または踏切注意柵(さく)の設けられているもの。
これらのうち第2種踏切は、JRでも私鉄でもすでに全廃された。踏切遮断機および踏切警報機は1日当りの道路交通量、それまでに発生した事故の回数、設置したときの事故防止上の効果等に基づいて設置される。
また、踏切保安設備には、踏切遮断機や踏切警報機のほかに、さらに踏切の安全を図るため種々の装置があり、そのおもなものは次のとおりである。
(1)列車接近表示装置 列車または車両が踏切に接近したことを、表示灯およびブザーによって係員に知らせる装置で、1種手動踏切に設ける。
(2)踏切鎖錠装置 1種手動踏切の遮断機に取り付け、踏切道に列車が接近しているときに係員等が誤って遮断機を早期に開扉することを防止するための装置。
(3)列車進行方向指示器 踏切通行者に列車の進行方向を示す装置。
(4)踏切支障報知装置 自動車が踏切上で落ち込みなどにより止まったとき、踏切支障押ボタンの取り扱いにより、または踏切障害物検知装置による自動検知により、踏切道に接近する列車に危険を報知するための装置。
[大澤伸男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…道路や鉄道が他の道路や鉄道と立体的に異なる高さで交差する方式。とくに鉄道と道路が平面交差する踏切は交通安全と交通円滑化のうえで問題があり,原則として立体的に交差させる必要がある。1ヵ所の踏切を立体交差化する単独立体交差事業に対し,鉄道を高架,堀割りまたは地下化することにより,複数の踏切を立体交差化する事業を連続立体交差事業と呼び,これら事業の費用は鉄道と道路側が分担するルールができている。…
※「踏切」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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