日本大百科全書(ニッポニカ) 「円錐火山」の意味・わかりやすい解説
円錐火山
えんすいかざん
火山形態の一型で、円錐形の成層火山。現在ではほとんど用いないが、コニーデ(ドイツのシュナイダーK. Schneiderが1911年に提唱)ともいう。もっとも多い火山形態で、ほぼ同一地点から長期間にわたって噴火が反復され、爆発で噴出された火山砕屑(さいせつ)物や流出した溶岩などが幾重にも積もって形成される。
山体の傾斜は、概して裾野(すその)では緩やかであるが、山頂部ではその傾斜は30度にも達する。意外と美しい円錐形の火山は少ない。富士山をはじめ、開聞(かいもん)岳(薩摩(さつま)富士)、岩手山(南部富士)、羊蹄(ようてい)山(蝦夷(えぞ)富士)などがこれに属する。安山岩質ないし玄武岩質の火山でみられる。
[諏訪 彰・中田節也]