再現率(読み)さいげんりつ(その他表記)recall ratio

図書館情報学用語辞典 第5版 「再現率」の解説

再現率

情報検索システムにおいて,ある情報要求あるいは検索質問に応じて検索を行ったとき,データベース中のすべての適合情報に対する検索された適合情報の割合.どれだけ網羅的な検索ができたかを示しており,精度とともに,Aslibによるクランフィールド研究プロジェクト(Aslib Cranfield Research Project)で生まれた適合性に基づく評価尺度である.しかし,すべての適合情報が判明していなければ算出できないという点で,再現率は現実的な尺度といえない.再現率が使われるのは,適合情報がすべて判明しているテスト集合を用いた検索実験の場面においてである.テスト集合を用いずに再現率を得ようとするならば,すべての適合情報を既知のすべての適合情報で代替し近似値を算出するといった工夫が必要となる.再現率と精度は原則的に反比例の関係にあるため,二つの尺度を同時に扱うための指標としては,重み付け調和平均であるF値(F尺度)が用いられることが多い.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

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