n個の数x1,x2,……,xnに対して,それぞれの数の逆数の和をnで除した数の逆数,を調和平均という。Hがいつも定義できるようにx1,x2,……,xnは正の値を取るものとする。このとき調和平均は相乗平均
(したがって相加平均)より大きくない。またx1,x2,……,xnのうちの最大数より小さく最小数より大きい。Hは速度など比率で表される量の平均としてしばしば適用される。例えばある人が100mを3回走ってx1秒,x2秒,x3秒のタイムであったとき,その平均速度を調和平均と考えることが適当である。より一般に調和平均を考えることもできる。確率変数Xが値xi>0(i=1,2,……,n)を取る確率をそれぞれpiとするとき,
をXの調和平均という。
執筆者:櫃田 倍之
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n個の観測値(データ)x1、x2、……、xnの逆数の算術平均の逆数、すなわち
で計算される平均値の一種。
速度や生産性などのように比率として表示される数の平均値を算出するときに用いられる算式である。たとえば、ある距離をそれぞれx1、x2の速度で往復した場合、往復の平均速度はn=2と置いて計算される。
また、ウェイト(荷重)w1、w2、……、wnを考慮すると、加重調和平均が次式で与えられる。
たとえば、三つの工場で一定期間にそれぞれw1、w2、w3の生産量をあげ、それぞれの労働生産性がx1、x2、x3であった場合、三工場の平均労働生産性は、n=3の場合の加重調和平均で与えられる。また、この式で、xiをi財の基準時点の価格に対する現時点の価格比とし、wiをその財に対する現時点での家計支出金額とすると、加重調和平均によって計算される値は、パーシェ算式に基づく物価指数に一致する。
[高島 忠]
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…確率変数Xの平均(期待値)E(X)は(4)の形で数学的に定義される。 n個の正の実数x1,x2,……,xnに対して,を相乗平均,を調和平均という。とすると,となっている。…
※「調和平均」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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