ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「写真芸術」の意味・わかりやすい解説 写真芸術しゃしんげいじゅつphotographic art 芸術としての写真。初期は絵画の後進芸術とみなされて絵画的表現に追従したが,次第に記録的なリアリズムに目ざめるようになった。 20世紀初頭,アメリカ人 A.スティーグリッツらによって写真的リアリズムに基礎をおく近代写真が確立される一方,前衛芸術運動とも呼応して,芸術としての写真分野が認識されるようになった。 1930年代以降,小型カメラの発達によりいわゆるスナップ・ショット手法が生れ,フランス人カルティエ=ブレッソンは現象的事実の「決定的瞬間」へ肉迫し,写真芸術は大きな転換期を迎えることになった。第2次世界大戦後は美術との新しい交流を含めて,写真独自の表現的な試みが活発となり,現代美術においても重要な位置を占めるようになった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by