ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「冥界訪問神話」の意味・わかりやすい解説 冥界訪問神話めいかいほうもんしんわ 上界に属する神または英雄が,生きたまま地下の死者を訪問し,またそこから帰還したという内容の神話。ギリシア神話のオルフェウスの話が最も有名だが,ギリシア神話にはこのほか,ディオニュソス,ヘラクレス,テセウス,オデュッセウスなど,多くの神々や英雄を主人公とする冥界訪問譚があり,より古くメソポタミアの神話には,イナンナ=イシュタルを主人公とする話があった。日本神話のイザナギの黄泉国訪問譚も,いうまでもなくこのタイプに属するが,オルフェウス神話と特によく類似している点が注目される。オルフェウスとイザナギの神話によく似た話は,ポリネシアと北アメリカの先住民の伝承中にも多数見出される。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by