国指定史跡ガイド 「冨田一里塚」の解説
とみだいちりづか【冨田一里塚】
愛知県一宮市冨田にある一里塚。徳川家康が江戸日本橋を起点として、五街道に築いた一里塚の一つ。美濃路には13ヵ所の一里塚が設置されていたが、現在、当時のまま街道両側に原形を留めて残っているのはこの一里塚だけである。東塚と西塚は、ともに高さ1.8m、底部9.2mの方形で、榎(えのき)の老木が植えられている。ちなみに東海道では、阿野一里塚(愛知県豊明(とよあけ)市)が原形のままである。一里塚は街道の両側に土盛りした塚を築き、根が深く張って塚が壊れにくくなることから榎が植えられた。1937年(昭和12)に国の史跡に指定され、1940年(昭和15)には石標柱などが設置された。名鉄名古屋本線名鉄一宮駅から名鉄バス「起」下車、徒歩約15分。