国指定史跡ガイド 「阿野一里塚」の解説
あのいちりづか【阿野一里塚】
愛知県豊明市阿野町にある一里塚。東海道交通の要衝を担う鳴海(なるみ)、池鯉鮒(ちりゅう)間の街道両側に2基残っており、日本橋から86番目の一里塚。1604年(慶長9)、徳川家康が永井白元と本田光重に命じて街道両側に築かせたもので、往時は東海道交通上の目安となっていたが、明治維新以後、次第にその価値を失った。右塚と左塚の両塚が現存する例は珍しいことから、1936年(昭和11)に国の史跡に指定された。池鯉鮒宿は江戸時代に東海道の宿場町として発展し、かつて馬市が立つ宿としてにぎわい、カキツバタの群生地としても知られた。鳴海宿は城下町ではなかったが、宿場中央で街道が急角度に屈曲しているのが特徴だった。現在は柵で囲まれて小さな公園のようになっている。名鉄名古屋本線前後駅から徒歩約15分。