炭化水素,エーテル,アルコールなどの酸化反応の過程で,正常の発火以前に現れる青白い発光を伴う温度の低い特殊な火炎をいう.冷炎の発光源は,励起されたホルムアルデヒドといわれ,炭素数の多い飽和炭化水素やエーテルで発生しやすい.一般に,冷炎の発生領域は図に示した例からもわかるように,発火限界曲線に接した“緩やかな反応”の領域中にあり,発火限界付近では周期的に数回現れる特徴がある.冷炎の発生機構の詳細は,いまだにわからない点が多いが,炭化水素の酸化過程で重要なはたらきをする過酸化物と関係が深いといわれ,またこの領域では,総括的な反応の温度係数が負になるという面白い現象も見いだされている.なお,はじめに冷炎が発生し,それに引き続いて通常の火炎が生じるような発火過程は,二段発火(two stage ignition)とよばれ,エンジン内の燃焼などで重要となる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
ノーベルがスウェーデンアカデミーに寄付した遺産を基金とする世界的な賞。1901年以降行われ、毎年、物理学・化学・生理学および医学・文学・平和・経済学の6部門において、顕著な功績のあった人に授与される。...