火炎(読み)カエン

デジタル大辞泉 「火炎」の意味・読み・例文・類語

か‐えん〔クワ‐〕【火炎/火×焔】

物が燃えるときの、光や熱を出している部分。ほのお。
[類語]ほのおほむら光炎こうえん紅炎こうえん火柱ひばしら火先ほさき火の気火気種火火種口火発火点火着火火付き火加減火持ち残り火おき燠火おきび埋み火炭火火の粉火花火玉花火焚き火迎え火送り火野火

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精選版 日本国語大辞典 「火炎」の意味・読み・例文・類語

か‐えんクヮ‥【火炎・火焔】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 燃え立つ火。ほのお。
    1. [初出の実例]「当大隅国贈於郡曾乃峯上火炎大熾響如雷動」(出典続日本紀‐延暦七年(788)七月己酉)
    2. 「赤旗多くうちたてたれば、春風に吹かれて天に翻るは、火炎のもえあがるにことならず」(出典:平家物語(13C前)九)
    3. [その他の文献]〔易林‐屯之坎〕
  3. かえんこうはい(火焔光背)
    1. [初出の実例]「年比、不動尊の火焔をあしく書きける也」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)三)
    2. 「後光の火焔(クヮエン)がござらぬ故、頭巾着ぬ大黒同前」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後)

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化学辞典 第2版 「火炎」の解説

火炎
カエン
flame

炎ともいう.可燃性ガスが酸素と燃焼反応を起こした結果として生じた,肉眼で見える高温ガスの流れを火炎という.火炎は予混炎(pre-mixed flame)と拡散炎(diffusion flame)とに大別されるが,前者は可燃性気体と酸化剤があらかじめ混合された状態で生じる火炎で,自己伝搬性があり,混合気体組成,温度,圧力などに依存した速度をもって未燃混合気中を移動する.これに対して後者は,可燃性気体が酸化剤中に放出されたとき,混合された部分から順次燃焼する場合に生じる火炎で,自己伝搬性はない.いずれも,火炎の上流の未燃ガスの状態が層流であるか,乱流であるかに応じて層流炎と乱流炎に分かれるが,層流炎のほうが構造は簡単である.層流予混炎の構造はもっとも詳しく調べられているが,それによると,火炎は化学反応が起こっている反応域と単に未燃ガスが予熱を受ける予熱域に区別され,肉眼で見えるのは反応速度のもっとも大きな反応域の一部である.火炎の発光は燃焼により遊離される微小炭素粒子(直径約10~30 nm)の連続発光を除くと,化学発光であり,OHを放射源とする紫外光,C2,CHを放射源とする可視光がおもなものである.1気圧(101.3 kPa)における炭化水素の火炎の厚さは,ほぼ 10-2 cm 程度であるが,この値は圧力が低下すると,しだいに大きくなるので,火炎の構造を調べるには,しばしば低圧炎が用いられる.ガスバーナーなどで見られる定常的な層流予混炎は,未燃ガスの流速と混合気の燃焼速度が釣り合ったときに生じる火炎で,酸化反応を伴う内炎と二次的な燃焼にもとづく外炎に分かれる.したがって,この火炎は,上記の釣合いが保たれないと,吹き消えまたは逆火を起こして安定化されない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

普及版 字通 「火炎」の読み・字形・画数・意味

【火炎】かえん

ほのお。

字通「火」の項目を見る

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