出直(読み)でなおり

精選版 日本国語大辞典 「出直」の意味・読み・例文・類語

で‐なおり‥なほり【出直】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 芸娼妓が一人の客を送りだして、すぐに別の客の席に出ること。
    1. [初出の実例]「おきくさんはでなほりだよ〈でなほりとは、すぐに外のきゃくへだした事なり〉」(出典:洒落本・仕懸文庫(1791)二)
  3. 芸者が、約束の時間が過ぎた後も、なお望まれて留まること。
  4. でもどり(出戻)
    1. [初出の実例]「『出直り』だからといって、あながち実家でくすぶっていなくてはならないものと、決ってはいないであろう」(出典:君の名は(1952‐54)〈菊田一夫〉四)
  5. 取引で、底値から再び元の相場に引き返すこと。

で‐なおし‥なほし【出直】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 最初からやり直すこと。
    1. [初出の実例]「細々でなをしのならぬものなれば」(出典:浮世草子・人倫糸屑(1688)淫乱)
  3. 天理教で、死ぬことをいうことば。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android