日本大百科全書(ニッポニカ) 「出雲崎(町)」の意味・わかりやすい解説
出雲崎(町)
いずもざき
新潟県中央部、三島郡(さんとうぐん)にある港町。日本海に臨み、1889年(明治22)町制施行。1904年(明治37)尼瀬(あまぜ)町、1957年(昭和32)西越(にしごし)村と合併。JR越後線(えちごせん)が通じ、国道116号、352号、402号が走る。古くは旧北陸道の宿駅で、近世は佐渡(さど)金山の輸送港として重きをなし、幕末には付近の天領を支配する代官所も置かれた。街は狭い海岸べりの丘陵麓(ろく)に並ぶ一本町で、長さ6キロメートル余にも及ぶ典型的街村をなす。西端の尼瀬は、西山油田の機械掘削の発祥地で、記念公園と出雲崎石油記念館がある。中央が金の陸揚げ港であった港町で、良寛和尚(りょうかんおしょう)の生誕地として知られ、良寛堂や良寛記念館がある。東端は沿岸漁業の漁師町であったが、いまは海水浴場に変わっている。内陸側の新町域は、土地改良の進んだ純農村である。面積44.38平方キロメートル、人口4113(2020)。
[山崎久雄]
『佐藤直太郎著『出雲崎編年史』上中下(1972・良寛記念館)』
[補完資料] |