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天領 てんりょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

天領
てんりょう

江戸幕府直轄領(幕府領,幕領)の俗称御料所ともいう。江戸時代の全国の土地は,皇室領,寺社領,大名領,旗本知行所(→知行所),幕府直轄領に分かれていた。そのうち幕府直轄領は約 400万石を占め,全体の 15.8%に相当した。田畑だけでなく全国の主要な鉱山,港湾,交通・商業の重要地点が編入されており,鉱山では佐渡や生野などが代表的な例である(→生野銀山佐渡鉱山)。全国 68ヵ国中 47ヵ国に置かれ,幕府の主要な財源となった。江戸幕府の場合は豊臣氏の太閤蔵入地ほど多くはなかった。他の大名領に比較して年貢率も低いのが特色で,勘定奉行の指揮下にある郡代代官が支配した。

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百科事典マイペディアの解説

天領【てんりょう】

御料所(ごりょうしょ),御料とも。江戸幕府の直轄地(幕府領,幕領)の俗称。開幕以前の徳川氏蔵入地を継承し,幕府財政の基盤。勘定奉行支配下で,郡代代官が年貢徴収や一般民政事務を行った。
→関連項目上知令大阪[市]公領御料所六尺

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションの解説

てんりょう【天領】

岐阜の日本酒。酒名は、飛騨が幕府直轄地「天領」だったことにちなみ命名。大吟醸酒「天禄拝領」「天のしずく」「吟」、純米吟醸酒「杜氏の持ち帰り酒」、純米酒「飛切り」、本醸造酒「喜金」などがある。平成3、12、15、18~21、23、24年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米はひだほまれ、山田錦。仕込み水は位山の伏流水。蔵元の「天領酒造」は延宝8年(1680)創業。所在地は下呂市萩原町萩原。

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デジタル大辞泉プラスの解説

天領(てんりょう)

岐阜県、天領酒造株式会社の製造する日本酒。平成21、23酒造年度の全国新酒鑑評会で金賞を受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

てんりょう【天領】

江戸幕府直轄地(幕領)の俗称。江戸時代には御料所もしくは御領と呼んだ。1603年(慶長8)に開かれた江戸幕府は,徳川氏の蔵入地(くらいりち)を引き継いで直轄領を形成し,慶長(1596‐1615)末年には200万石程度であったが,諸大名の改易転封を通じて拡大し,元禄(1688‐1704)末年には400万石を超えた。その後1744年(延享1)に461万石に達して江戸時代のピークを記録したが,やがて漸減に向かい1838年(天保9)には419万石であった。

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大辞林 第三版の解説

てんりょう【天領】

江戸幕府の直轄領。幕府の重要な経済的基盤であり、元禄年間(1688~1704)には四百万石に達した。全国に分布し、郡代・代官を配置し支配させた。 ↔ 私領
天皇・朝廷の領地。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天領
てんりょう

江戸幕府の直轄領の俗称。天領とは本来、朝廷(天皇)の直轄領のことを称したが、明治維新の際、旧幕府領の大半が明治政府の直轄県つまり天皇の直轄領になったともみられたことから、さかのぼって幕府直轄領を天領とよぶようになった。正式には御料(御領)、御料所、公領、公儀御料所と称した。天領は、徳川氏の蔵入地(くらいりち)が関ヶ原の戦いを経て1603年(慶長8)の幕府開設後に拡大され、慶長(けいちょう)末年には約230万石に達し、元禄(げんろく)年間(1688~1704)には約400万石となり、全国68か国のうち47か国内に分布した。
 天領は、大名・旗本の改易や転封・知行替(ちぎょうが)え、創設のためあてられたので、総石高(こくだか)は固定化されていなかったが、1744年(延享1)の総石高463万石、年貢高180万石を最高に、以後減少の傾向がみられた。分布状況は関東・東海・畿内(きない)を中心に北国・奥羽に多く、とくに政治・財政・交通・軍事上の要地に設けられ、年貢の基幹をなした米や商品作物の生産地域、都市・港湾や鉱山・山林地帯に重点的に分布していた。1730年(享保15)には、天領のうち郡代・代官支配地360万石、大名預所(あずかりしょ)74万石、遠国奉行(おんごくぶぎょう)支配地13万石に分けられていた。各天領の年貢米や金銀は江戸・大坂に集められ、勘定所(かんじょうしょ)の管轄下に置かれ、幕府財政の重要な基盤になった。[村上 直]
『村上直著『天領』(1965・人物往来社) ▽同「江戸幕府直轄領の地域的分布について」(『法政史学』25所収・1973・法政大学) ▽同「近世後期、幕府直轄領の地域的分布について」(『法政史学』34所収・1982・法政大学)』

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世界大百科事典内の天領の言及

【郡中惣代】より

…江戸時代の各地に散在する幕領(天領)に,宝暦・天明期(18世紀後半)以降存在した村役人の代表。個々の代官所支配管下全体(=郡中)の庄屋(名主)を代表する〈惣代〉の意味で,郡中惣代庄屋(名主)と呼ばれる。…

【巡見使】より

…最初の寛永の巡見使は,大御所徳川秀忠が死去し3代将軍家光が名実ともに政権を掌握したのを機に,また寛文の巡見使は4代家綱の政権の確立期に,それぞれ派遣されたが,5代綱吉の天和の巡見使以降,代替り直後に派遣されるようになった。 巡見使は原則として全国に派遣されたが,寛永の場合は6ブロックに3人ずつ(万石以上,使番,両番(書院番小性組)により構成),寛文の場合は〈陸方衆〉として6ブロック(ただし1664年派遣の関東を除く)に3人ずつ(使番,書院番,小性組により構成),〈海辺衆〉として2ブロックに2人ずつ(船手等により構成),天和と宝永の場合は8ブロックに3人ずつ(使番1人,両番2人により構成)の編成で,御料(幕領と天領)・私領の区別はなかった。ところが宝永の巡見使のもたらした報告により全国の施政・民情の実態を知った幕府は,とくに直轄領の監察強化を企図し,1712年から翌年にかけて,全国の幕領を14のブロックに分け,各3人ずつ(勘定,支配勘定,徒目付(かちめつけ)により構成)の〈国々御料所村々〉巡見使を派遣した。…

【筋】より

…江戸時代に地勢によって区分された行政区画をいう。幕府勘定所では天領を関東筋,(東)海道筋,北国筋,(五)畿内筋,中国筋,西国(さいごく)筋と区分した。また藩によっては各郡に筋名が見られることや2郡にまたがる場合もある。…

【伝馬宿入用】より

…江戸時代,幕府直轄領(天領)の農村に課せられた付加税の一種。五街道の問屋,本陣の給米や宿場入用に充てる目的で,村高100石につき米6升の割合で徴収した。…

【幕藩体制】より


[支配機構]
 幕藩体制の下では,一部の寺社・朝廷領を別とすれば全国の土地,人民は御料,私領に区分された。御料は幕府直轄領(天領)であり,佐渡,足尾,石見などの主要鉱山や,大坂,京都,江戸,長崎などの主要都市もその中に含まれていた。私領は公儀と主従関係にある部将に預けられた知行地で,その部将の公儀との間の位階制的序列によって,大名領(大名),旗本領(旗本)に区分された。…

【六尺給米】より

…江戸時代,幕府直轄領(天領)農村に課せられた高掛物と呼ばれる付加税の一種。江戸城台所の六尺と呼ばれる人夫の給米として,村高100石につき米2斗の割合で徴収した。…

※「天領」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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