太田市街地の北方にあり、渡良瀬川によって
天正一八年(一五九〇)金山城が落城、その後全山を松で覆われた(明治元年には一町一〇〇本の割)当山は、御林として幕府の管理下に置かれ、産する松茸は将軍家へ献上された。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
岐阜県中東部、益田郡(ましたぐん)南端にあった旧町名(金山町(ちょう))。現在は下呂(げろ)市の南西部を占める一地域。1890年(明治23)町制施行した武儀(むぎ)郡金山町と1896年町制施行した菅田(すがた)町が、1955年(昭和30)益田郡下原(しもはら)村、郡上(ぐじょう)郡東村と合併し、益田郡金山町となる。2004年(平成16)益田郡の萩原(はぎわら)、小坂(おさか)、下呂の3町および馬瀬(まぜ)村と合併、市制施行して下呂市となる。旧金山町の中心地区は飛騨川(ひだがわ)と支流馬瀬川の合流点にあり、JR高山本線、国道41号、256号が通じ、関市や郡上(ぐじょう)市に通ずる主要地方道がある。飛騨川沿いは飛騨木曽川国定公園(ひだきそがわこくていこうえん)に含まれ、中山七里が有名である。飛騨川や馬瀬川にはダムが多く、馬瀬川の岩屋ダムは多目的ダムとして建設されたものである。岩屋ダム近くにある岩屋岩陰遺跡(県指定史跡)は太陽暦に関係した巨石群として注目されている。
[上島正徳]
『『金山町誌』(1975・金山町)』
福島県西部、大沼郡にある町。只見川(ただみがわ)に沿う。1955年(昭和30)沼沢、川口、本名(ほんな)、横田の4村が合併して金山村となり、1958年町制施行。町名は中世以来の金山谷の称によった。特別豪雪地帯に指定されている。只見川に沿ってJR只見線と国道252号、野尻(のじり)川沿いに国道400号が通じている。狭い河岸段丘上に主要集落が分布し、中心の川口は只見川と野尻川の合流点にある。只見川を利用した滝、伊南川(いながわ)、本名、上田(うわた)などの発電所がある。沼沢湖はカルデラ湖で、揚水式発電以外にヒメマスの養殖に利用される。野尻川沿いに玉梨(たまなし)、八町(はちまち)の温泉があり、そのほか町内には湯倉(ゆぐら)、大塩などの温泉もある。面積293.92平方キロメートル、人口1862(2020)。
[安田初雄]
『『金山町史』上下(1974、1976・金山町)』
山形県北東端、最上郡(もがみぐん)の町。新庄(しんじょう)盆地の北東縁に位置し、東半は奥羽山脈の神室山(かむろさん)の西麓(せいろく)が占める。1925年(大正14)町制施行。1622年(元和8)最上(もがみ)家改易後、幕末まで新庄藩戸沢氏の領地。藩政時代からスギの植林が盛んで、単位面積当りの石数が全国一といわれた金山スギの美林がある。中心地金山は羽州街道(国道13号)の宿場として発達。林業のほか、農業は米作が中心で、野菜栽培や和牛飼育が盛んである。1982年(昭和57)全国初の情報公開条例(公文書公開条例)を制定した。栗駒(くりこま)国定公園、加無山(かぶさん)県立自然公園の一部。面積161.67平方キロメートル、人口5071(2020)。
[中川 重]
『『金山町史』(1988・金山町)』
群馬県太田市の市街地の北、松の茂る小山。標高223メートル。山頂に中世の遺構をもつ山城(やまじろ)の金山城跡(国指定史跡)、新田義貞(にったよしさだ)を祀(まつ)る新田神社、近くに高山彦九郎(ひこくろう)を祀る高山神社、南西麓(ろく)に「子育て呑竜(どんりゅう)さま」とよばれる大光院(だいこういん)などがある。
[村木定雄]
宮城県南部、伊具(いぐ)郡丸森町の一地区。旧金山町。藩政時代に金山領主中島氏は、盛んな養蚕業に注目し、金山紬(つむぎ)(仙台紬)の生産を奨励した。昭和初期まで紡績、織物業で知られたが、いまは行われていない。中島氏の居住跡である金山城址(じょうし)が残る。国道113号が通じる。
[編集部]
福島県西部,大沼郡の町。人口2462(2010)。只見川中流の河谷に位置し,北には新潟県境をなす越後山脈がある。町域の大半が山林で,集落,耕地は河岸段丘上に分布する。冬季の積雪が多く,特別豪雪地帯に指定されており,高齢化率は東北一,人口減少率も県下で最大である。中心集落の川口は只見川と野尻川の合流点に位置し,沼田街道(国道252号線)と昭和村への道路の分岐点にあたる。稲作のほか,畜産,コンニャクイモ栽培などが行われ,会津桐の産地でもある。只見川は昭和20年代から大規模な電源開発が進められ,町内に滝,伊南川,本名,上田,沼沢,第2沼沢の発電所がある。1961年に会津線が会津川口まで通じ,71年には新潟県と結び只見線と改称された。町東部の沼沢湖(カルデラ湖)周辺は自然休養村に指定され,只見川,野尻川沿いには金山谷温泉郷がある。スキー場も建設されている。
執筆者:佐藤 裕治
山形県北東端,最上郡の町。人口6365(2010)。新庄市の北に位置し,北東は秋田県と接する。奥羽山脈に属する神室山(1365m)が東部にあり,山林原野が町域の大半を占める。中心集落は国道13号線が通じる金山で,江戸時代は羽州街道の宿場町として栄え,定期市も開かれていたが,明治以後奥羽本線から離れたため町勢は停滞している。農林業が主産業で,金山杉の産地として知られる。冬季に1.2~2mの積雪のある地域で,出稼者が多い。近年,繊維,電機部品などの工場が進出している。西部には中世に開発され,元禄年間(1688-1704)まで稼行し,新庄藩の財政を支えた谷口銀山跡がある。
執筆者:松原 宏
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…村名は江戸時代の郷名にちなむ。中心集落は国道289号線が通る金山で,黄金川上流には古代から金山が開かれ,遣唐使派遣の費用をまかなったと伝えられる。1971年には灌漑用水犬神ダムが完成,圃場整備も完了し,農業の近代化が進んだ。…
…日本アルプスには2000m以上の高地にいくつかの山小屋があるが,終年定住の山小屋集落としては水没した廃村有峰があっただけである。秩父多摩国立公園の瑞牆(みずがき)山南麓には戸数2戸の山小屋集落金山(かなやま)がある。標高1410m,耕境にあり第2次大戦前は日本最高の農業集落であるといわれていた。…
※「金山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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