分て・別て(読み)わきて

精選版 日本国語大辞典 「分て・別て」の意味・読み・例文・類語

わき‐て【分て・別て】

〘副〙 (動詞「わく(分)」の連用形に、助詞「て」の付いてできた語) 特に。格別に。とりわけ。わけて。わいて。
※竹取(9C末‐10C初)「うるはしき皮なめり。わきて誠の皮ならんともしらず」
古今(905‐914)秋下・二九二「わび人のわきてたちよるこのもとは頼むかげなくもみぢ散りけり〈遍昭〉」

わけ‐て【分て・別て】

〘副〙 (動詞「わける(分)」の連用形に助詞「て」が付いたもの) とりわけて。ことさら。特に。わきて。
山家集(12C後)上「津の国のあしのまろ屋のさびしさは冬こそわけて訪ふべかりけれ」
史記抄(1477)一五「秦ほど天下をわけてよく封建したはないと云たぞ」

わい‐て【分て・別て】

〘副〙 「わきて(分━)」の変化した語。とりわけ。格別。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「『万ざいらくはひとの〈略〉心なりけり。わいて、一日のいのち老いにみえし』との給ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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