分光電気化学(読み)ブンコウデンキカガク

化学辞典 第2版 「分光電気化学」の解説

分光電気化学
ブンコウデンキカガク
spectroelectrochemistry

電極反応を分光学的に検討する方法.電流-電位曲線が対象物質の電極反応を検討するもっとも基礎的なデータとなるが,対象物質やその電解生成物が光を吸収したり蛍光を発するような場合,各種の分光法を用いてそれらの電極反応を検討することができる.分光学的方法を用いることによって,特定化学種挙動を選択的に追跡できるので,電流-電位曲線だけでは解析できないような電極反応も,より詳しく研究することができる.分光学的方法としては,可視,紫外,赤外の吸収法や反射法,蛍光法がよく利用される.吸収法では金属メッシュ電極や光透過性電極が利用される.遊離基を生成するような電極反応の検討には電子スピン共鳴法も有効である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の分光電気化学の言及

【ボルタンメトリー】より

…またボルタンメトリー電極を下地電極に用いる新しいセンサー,たとえばイムノ電極,酵素電極,ガスセンサーなども開発されている。紫外・可視・赤外分光光度法を用いて電極‐溶液界面での電解反応過程を直接観測するために,酸化スズ皮膜ガラスや金ミニグリッドを用いて光透過性電極が考案されており,分光電気化学spectroelectro chemistryといわれている。 ボルタンメトリーは最近,エレクトロニクスの進歩により他の分析機器と同様に装置類が面目を一新し,その結果,方法論が広範になり,解析的実験的基礎が進歩し,熱力学,分子論,反応論などに関し,多くの役立つ情報を提供できるようになっている。…

※「分光電気化学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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