分散強化合金(読み)ぶんさんきょうかごうきん(その他表記)dispersion strengthened alloy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分散強化合金」の意味・わかりやすい解説

分散強化合金
ぶんさんきょうかごうきん
dispersion strengthened alloy

金属のなかにセラミックスや金属酸化物の粒子あるいは繊維状の強化材を分散させることにより,高温強度や靭性,熱衝撃性を向上させた合金。金属材として鉄,ニッケルモリブデン,銅,ステンレスなどを用い,強化材としてトリア,酸化マグネシウム,アルミナ,シリカ,炭化チタン,酸化ケイ素などを配合する。分散を均一にするために,金属と強化材の微少粉末を混合し,圧縮成形や,焼結後,押出しや圧延で粒子間のすきまを押しつぶす方法が使われる。タングステン-トリア系は電球フィラメントに,銅-アルミナ系は導電材として半導体のリードフレーム材に使われる。またニッケルにトリアを分散させたものは,超耐熱材料としてジェット・エンジンの燃焼器や圧縮器のブレードガスタービンなどにも利用されている。

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