切られた首(読み)きられたくび(その他表記)A Severed Head

日本大百科全書(ニッポニカ) 「切られた首」の意味・わかりやすい解説

切られた首
きられたくび
A Severed Head

イギリスの女流作家、J・I・マードックの長編小説。1961年刊。知識人階級の男女が織り成す綾(あや)取りのように巧緻(こうち)な色模様のドラマ。登場人物は、主人公葡萄酒(ぶどうしゅ)商マーティン・リンチ・ギボン、彼に離婚宣言する妻アントニアとその愛人の精神分析医、その医者の異父妹、またマーティンの愛人、弟などで、自殺、近親相姦(そうかん)などを折り込んで複雑な男女関係を展開する。世界の中心は自分だと思っていた男の世界観の崩壊を、喜劇的に洗練された文体で描いた円熟期の作品。

[出淵 博]

『工藤昭雄訳『切られた首』(1963・新潮社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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