利根型重巡洋艦(読み)とねがたじゅうじゅんようかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「利根型重巡洋艦」の意味・わかりやすい解説

利根型重巡洋艦
とねがたじゅうじゅんようかん

旧日本海軍の重巡洋艦。建造中から無条約時代になったので,8インチ (20cm) 砲巡洋艦として建造された。その特徴は主砲8門 (4個砲塔) を前部に集中し,後部飛行甲板とし,カタパルト2,水偵6機を搭載し,重防備とした点である。同型艦2隻。基準排水量1万 1900t,速力 34.7kn,主砲 20cm砲8,12.7cm高角砲8,61cm魚雷発射管 12。『利根』は,1938年 11月長崎三菱造船所で竣工,太平洋の諸海戦に参加後,45年7月 28日,艦上機空襲により呉で着底。なお初代の『利根』は,10年竣工の軽巡洋艦で,常備排水量 4113t,速力 23kn。備砲 15cm砲2,12cm砲 10,53cm魚雷発射管3を装備。第1次世界大戦に従軍。『筑摩』は,39年5月長崎三菱造船所で竣工,44年 10月 25日,サマル島沖で爆撃を受けたあと自沈。なお初代の『筑摩』は,12年竣工の軽巡洋艦で,常備排水量 5000t,速力 26kn,備砲 15cm砲8,8cm砲4,53cm魚雷発射管4を装備。第1次世界大戦に従軍。

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