利根(読み)りこん

精選版 日本国語大辞典 「利根」の意味・読み・例文・類語

り‐こん【利根】

〘名〙
① 仏語。教えを受けて修行する者の性質、資質がすぐれていること。また、その資質。利根・鈍根の二根、利根・中根・鈍根の三根などを数える。〔勝鬘経義疏(611)〕
今昔(1120頃か)一「迦蘭仙、利根明了也、先づ彼を可度」
② (形動) 生まれつき頭脳の働きがすぐれていること。また、その天性。また一般に、賢いこと。利発なこと。またそのさま。
※太平記(14C後)一「第三宮は〈略〉御幼稚の時より、利根(リコン)聰明に御坐せしかば」
③ (形動) 弁舌がたくみで気転がきくこと。口がうまいこと。また、そのさま。口利根。
盲安杖(1619)「もとより女の姓はひがめり。〈略〉口は利根にして心あさし」
[語誌]「りこう(利口)」とは別語で、両者の区別は中世期まで明確であったが、近世に入ると混用され、「利口」に吸収された。

とね【利根】

群馬県北端の郡。利根川上流域の山岳地帯で、新潟福島・栃木の各県と接する。

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デジタル大辞泉 「利根」の意味・読み・例文・類語

り‐こん【利根】

[名・形動]
生まれつき賢いこと。利発。⇔鈍根
口のきき方がうまいこと。また、そのさま。
「さのみ―にいはぬもの」〈浄・曽根崎
[類語]利口利発怜悧れいり聡明そうめい発明慧敏けいびん明敏才気煥発かんぱつ穎悟えいご賢明賢いさと鋭敏機敏俊敏鋭い目聡い賢しい過敏敏感炯眼けいがん英明英邁犀利さいりシャープ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「利根」の意味・わかりやすい解説

利根
とね

群馬県北部、利根郡にあった旧村名(利根村(むら))。現在は沼田市の東部全域を占める地域。旧利根村は、1956年(昭和31)赤城根(あかぎね)、東(あずま)の2村が合併して成立。2005年(平成17)沼田市に編入。中央を片品(かたしな)川が南流し、沿岸には断続的に河岸段丘が発達し、段丘面は畑が多く、野菜や良質のダイズが生産される。また、観光リンゴ園が多い。国道120号が通じ、尾瀬(おぜ)への通路にあたる。旧村の中心の追貝(おっかい)には国の天然記念物及び名勝の吹割渓(ふきわれけい)ならびに吹割瀑があり、遊歩道が整備されている。旧村域に1965年竣工(しゅんこう)した薗原(そのはら)ダムと薗原湖に近い上流に老神温泉(おいがみおんせん)がある。

[村木定雄]

『『利根村誌』(1973・利根村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「利根」の意味・わかりやすい解説

利根[町] (とね)

茨城県南縁部,北相馬郡の町。人口1万7473(2010)。利根川北岸の低地を占める。中心集落の布川(ふかわ)は江戸時代,利根川水運の河港として栄えた。河港の廃止などで人口減少が続いたが,1970年代に住宅地が開発され,人口が増加した。栄橋によって対岸の千葉県我孫子(あびこ)市と結ばれ,JR成田線布佐駅が近い。81年8月の小貝川水害では全耕地の9割が冠水し,大被害を受けた。《利根川図志》を著した赤松宗旦は布川の出身である。縄文早期の花輪台貝塚がある。
執筆者:

利根(群馬) (とね)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「利根」の意味・わかりやすい解説

利根
とね

群馬県北東部,沼田市東部の旧村域。片品川流域にある。 1956年東村と赤城根村が合体して利根村が成立。 2005年沼田市に編入。中心集落は追貝。養蚕,野菜栽培,酪農などが行なわれる。北西部の吹割渓谷ならびに吹割滝は国の名勝・天然記念物。南部に老神温泉,薗原ダムがある。一部は赤城県立公園に属する。

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普及版 字通 「利根」の読み・字形・画数・意味

【利根】りこん

利発な性格。

字通「利」の項目を見る

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