利生塔(読み)リショウトウ

デジタル大辞泉 「利生塔」の意味・読み・例文・類語

りしょう‐とう〔リシヤウタフ〕【利生塔】

安国寺に建てられた塔。

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精選版 日本国語大辞典 「利生塔」の意味・読み・例文・類語

りしょう‐とう リシャウタフ【利生塔】

安国寺(一)にある塔の称。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「利生塔」の解説

利生塔
りしょうとう

足利尊氏・直義(ただよし)兄弟後醍醐天皇をはじめとする元弘以来の戦没者の慰霊と平和を祈願して建立した塔。一国ごとに寺(安国寺)と塔が設けられ,塔には仏舎利2粒が納置された。禅僧夢窓疎石(むそうそせき)の勧めによるが,源流インドアショーカ王の8万4000の仏舎利塔があったといわれる。現存する遺構はないが,京都の法観寺や栃木県下野市の薬師寺など28国に所在したことが確認されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「利生塔」の意味・わかりやすい解説

利生塔
りしょうとう

安国寺利生塔」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の利生塔の言及

【安国寺】より

…足利尊氏・直義兄弟は,夢窓疎石の勧めにより,元弘以来の戦死者の霊をとむらい平和を祈願するため,1338年(延元3∥暦応1)ころから貞和年間(1345‐50)の約10年ほどの間に,全国66ヵ国2島に1寺1塔を設け,各塔婆には朝廷から賜った仏舎利2粒を納めた。ついで,1345年(興国6∥貞和1)2月6日の光厳上皇の院宣によって,安国寺・利生(りしよう)塔と名付けられた。このうち利生塔は,真言・天台など旧仏教の大寺に設ける方針であったが,山城,相模,駿河などでは五山派の禅寺に設けられた。…

【塔】より

…しかし,禅寺の塔は伽藍中心部を離れ,後方の山腹に建てられるのが普通であった。足利尊氏は各国に安国寺を建て,また利生(りしよう)塔を造立したが,安国寺と違って利生塔は禅宗寺院に建てられたとは限らず,造形は和様の五層塔であったらしい。中世・近世においても,塔は寺院の荘厳を増すため多く造立されたが,新興の宗派では日蓮宗にあるだけで,真宗や浄土宗はほとんど塔を設けない。…

※「利生塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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