前殿(読み)ゼンデン

デジタル大辞泉 「前殿」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐でん【前殿】


前の方にある殿舎
後宮に対し、政務を行う表向きの殿舎。
紫宸殿ししんでん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「前殿」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐でん【前殿】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 前後に建ちならぶ殿舎のうち、前方にある殿舎。また、後宮に対して、政務を行なう表むきの諸殿。
      1. [初出の実例]「天皇幸東大寺、御盧舎那仏像前殿、北面対像」(出典:続日本紀‐天平勝宝元年(749)四月甲午)
      2. [その他の文献]〔史記‐始皇本紀〕
    2. 正殿。大極殿のこと。
      1. [初出の実例]「周年路寝漢前殿、旧製相同誰不思」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)一・賀大極殿新成〈大江匡房〉)
  2. [ 2 ] 紫宸殿(ししんでん)のこと。
    1. [初出の実例]「宴五位已上於前殿」(出典:続日本紀‐宝亀七年(776)正月庚寅)

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世界大百科事典(旧版)内の前殿の言及

【紫宸殿】より

…〈ししいでん〉とも読む。内裏の南部分にある第1の御殿で,南殿(なでん),南大殿,前殿,正寝,正殿ともいう。はじめは節会,季御読経(きのみどきよう),立后,立太子,天皇元服等の通常の公事が行われたが,大極殿(だいごくでん)の廃亡とともに即位や大嘗会(だいじようえ),朝賀等重要な儀式も行われるようになった。…

※「前殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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