前田野目窯址(読み)まえたのめようし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「前田野目窯址」の意味・わかりやすい解説

前田野目窯址
まえたのめようし

青森県五所川原(ごしょがわら)市前田野目字鞠野沢(まりのさわ)(A)と砂田(すなた)(B)において発掘調査した須恵器(すえき)窯址で、構造は半地下式無階無段登窯(のぼりがま)である。本窯址は1968年(昭和43)同市教育委員会によって調査され、その結果、甕(かめ)、壺(つぼ)、坏(つき)などが生産されていた。この窯の構築は、従来、秋田・岩手県までは確認されていた東北地方における古代窯業遺跡が、さらに北方の五所川原市に築窯されていたことを示すもので、東北日本の古代社会を解明するうえで重要な意義をもつものである。つまり、本窯址での生産品が消費遺跡出土品との同定によって、需要の地域的広がりが究明されることが重要である。調査者は、本窯址の年代を平安時代末から鎌倉時代前半に想定している。

大川 清]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む