前置(読み)まえおき

精選版 日本国語大辞典 「前置」の意味・読み・例文・類語

まえ‐おきまへ‥【前置】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 本題にはいる前に述べること。また、そのことばや文章。まくら。前口上。
    1. [初出の実例]「まへをきをいふ」(出典:俳諧・毛吹草(1638)二)
    2. 「前置(マヘオキ)の枕ばかり長くて、へんてつもない事許り申します」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)三)
  3. 華道立花(りっか)で、低く前にさす草木。万年青、小羊歯、松などが多く用いられる。
    1. [初出の実例]「おしうけには、白柄の長刀、まへをきには、くゎっと開いたることじのえなし〈略〉挿しにける」(出典:浄瑠璃・公平つるぎのりっくゎ(1661‐72頃)初)
  4. 長唄浄瑠璃で、人物が登場する前におかれた序の部分のこと。置(おき)

ぜん‐ち【前置】

  1. 〘 名詞 〙 前方におくこと。前におくこと。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「七をホールセッチェレンと云、前置の語と翻す」(出典:蘭学逕(1810))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android