日本大百科全書(ニッポニカ) 「助け合い運動」の意味・わかりやすい解説
助け合い運動
たすけあいうんどう
国民の助け合いの精神を基調に、民間の社会福祉事業などを推進するのに必要な財源を国民自らの手によって国民各層からの寄付でまかなおうとして行われる国民運動。助け合い運動は、1947年(昭和22)第二次世界大戦後の経営難の民間社会福祉事業のために厚生省(現、厚生労働省)が提唱したもので、国民相互の助け合い精神の振興は国家再建の基盤をなすものであるという「国民たすけあい運動」の一環である「国民たすけあい共同募金」として始まった。共同募金はシンボルとして「赤い羽根」を用い、毎年10月から12月までを募金期間としている。とくに12月には「歳末たすけあい」としての運動が展開されている。また、日本赤十字社が、輸血用血液の買血から奉仕供血(献血の当時の呼称)への転換を推進するためにキャンペーンを行った1965年9月の献血運動月間のときより「愛の血液助け合い運動」が実施されている(1970年より毎年7月に実施)。
[横山和彦・岩永理恵 2016年7月19日]
『日本赤十字社編・刊『血液事業のあゆみ』(1991)』▽『中央共同募金会編・刊『みんな一緒に生きていく――共同募金運動50年史』(1997)』