共同募金(読み)きょうどうぼきん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

共同募金
きょうどうぼきん

1947年にアメリカにおけるコミュニティー・チェスト Community Chestを模倣して,日本で始められた慈善,あるいは社会福祉募金運動。 51年に「社会福祉事業法」が制定され,法制化した。中央共同募金会と地方の都道府県共同募金会が共同して,宣伝,募金者の動員,配分などの計画を立てて実施している。募金を行うにあたっては,期間,方法,配分その他について種々の制限があり,共同募金会以外の者は,共同募金事業を行うことができない。

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デジタル大辞泉の解説

きょうどう‐ぼきん【共同募金】

community chest社会福祉事業の費用を一般から公募する運動。日本では、昭和22年(1947)から共同募金会により「赤い羽根運動」として毎年10月に行われている。→赤い羽根
[補説]スイスの一牧師が路傍に「与えよ、取れよ」と記した木の箱を置き、金を持つ者はこれに金を入れ、貧しい者は金を取り出したことが起源という。

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百科事典マイペディアの解説

共同募金【きょうどうぼきん】

community chestの訳。社会福祉事業,厚生保護事業の資金を民間機関の手で募集するもので,1910年代に米国で広まった。日本では1947年から共同募金会の手で行われている。赤い羽根募金とも呼ばれ,社会福祉事業法(1951年制定。2000年に社会福祉法と改称)で募金,配分の方法などが規定されており,お年玉つき年賀はがきもその一種である。ほかに炭鉱離職者救済のための黒い羽根募金,国土緑化運動のための緑の羽根募金,結核予防運動のための複十字シール募金などがあった。

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうどうぼきん【共同募金】

民間社会福祉事業や更生保護事業の資金に充てるため,(個々の事業団体とは別の)一定の民間機関によって,一括してひろく国民各層から寄付金を募ること,またその運動。都道府県の区域を単位として行われ,その区域内で民間の社会福祉事業または更生保護事業を経営する者の過半数に寄付金を配分することが原則となっている。 共同募金はイギリスのリバプールで1873年,日本では1921年に長崎市で初めて行われたが,いずれもひろく波及するに至らず,アメリカで1910年代から発展し,全国的に普及した。

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大辞林 第三版の解説

きょうどうぼきん【共同募金】

社会福祉のための寄付金を公募すること。また、その運動。日本では毎年10月1日から12月31日までの間、社会福祉法人共同募金会が行う。寄付者には赤い羽根が渡される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

共同募金
きょうどうぼきん

民間社会福祉事業を推進するための財源を国民ひとりひとりの自発的な助け合いの精神で集めようとする全国民的募金運動。コミュニティ・チェストcommunity chestの訳語。赤い羽根をシンボルとしている。モデルは、1913年アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド市での取組みである。募金者の胸につける赤い羽根は、1928年ルイジアナ州ニュー・オーリンズ市、テキサス州ダラス市で用いられ始め、1945年から全国に普及したが、現在アメリカではほとんど使用されていない。日本では、1921年(大正10)長崎県社会事業協会が行ったのが初め。1946年(昭和21)10月、連合国最高司令官総司令部(GHQ)公衆衛生福祉局は「政府の私設社会事業団体に対する補助に関する件」覚書で政府の民間社会事業に対する補助を禁止した。そこで、民間社会事業に対する援助のため、公衆衛生福祉局課長ネフNelson B. Neffの助言と、孤児や非行少年のための「少年の町」の開設者として知られるアメリカ人神父フラナガンEdward Joseph Flanagan(1886―1948)の勧めで、1947年に第1回共同募金運動が実施され、5億9000万円が集められた。このときはブリキのバッジを用いたが、1948年から赤い羽根となった。社会福祉事業法(昭和26年法律第45号、2000年に改正して社会福祉法と名称変更)で法制化された。なお、中央共同募金会によると、現在赤い羽根を使っているのは日本と南アフリカだけで、他の国々では手と虹を表すマークを使用している。
 共同募金運動は、全国およそ200万人のボランティアの協力を得て毎年1回厚生労働大臣が定める期間(例年は10月から12月まで)に行われるが、年間を通じてさまざまな形で寄付金の受入れを行っている。募金運動の主体は各都道府県共同募金会で、その区域内の地域福祉活動を行う団体等から広く募った助成についての要望を基に、助成計画および住民参加により策定した市区町村における共同募金推進計画(当該地域における助成計画および募金計画など)に基づいた募金活動および助成を実施する。募金の形態には、街頭募金のほかに、町内会・自治会の役員、班長が担う募金ボランティアが各家庭を訪問して寄付をお願いする戸別募金、法人募金、学校募金、職域募金などがある。共同募金会への寄付は、法人、個人ともに、税制上の優遇措置の対象となっている。
 募金目標額と実績との割合をみると、1949年度に初めて100%を超え、1973年度は139%とピークを示した。1993年度(平成5)以降には110%以下となり、2004年度(平成16)から2014年度の数値をみると、100%を下回り92%まで低下している(中央共同募金会2015「昭和22年度~平成26年度 一般募金・歳末たすけあい募金の目標額と実績額の推移」)。[横山和彦・岩永理恵]
『中央共同募金会編・刊『みんな一緒に生きていく――共同募金運動50年史』(1997)』

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