労働者災害補償保険法(読み)ろうどうしゃさいがいほしょうほけんほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「労働者災害補償保険法」の意味・わかりやすい解説

労働者災害補償保険法
ろうどうしゃさいがいほしょうほけんほう

昭和 22年法律 50号。業務中に発生した傷病廃疾死亡についての補償を行う,いわゆる労災保険を規定する法律。労災保険制度は労働基準法の定める災害補償を確実に行わせるために設けられたものであるが,給付内容が労働基準法の水準を大きく上回って拡充されるとともに,障害補償年金遺族年金制度,通勤災害に対する給付制度なども導入されて,社会保障の一環としての性格を強めている。また,この法律は補装具支給やリハビリテーション施設の運営などを行う労働者福祉事業についても定めている。労災保険は政府が運営し,原則として全事業に強制適用される。労災保険に要する費用は事業主の負担する保険料と国庫負担金によっている。 (→災害補償 )  

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知恵蔵 「労働者災害補償保険法」の解説

労働者災害補償保険法

労働者の業務上の事由又は通勤による労働者の負傷疾病、障害、死亡等に必要な保険給付を行い、当該労働者の社会復帰促進、その遺族の保護、適正な労働条件の確保等を目的とする法律(1947年4月制定、同9月施行)。2005年の労災事故による死者は、1948年に統計を取り始めて以降過去最少(1514人)を記録した。業種別では建設業、製造業、陸上貨物運送業などでの事故が多い。

(桑原靖夫 獨協大学名誉教授 / 2007年)

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世界大百科事典(旧版)内の労働者災害補償保険法の言及

【医療保険】より

…これは,工場・鉱山の労働者を中心的対象とし,また業務災害をも保険事故としていた。39年公布の職員健康保険法,船員保険法は,医療保険の対象を事務職員,船員にまで拡大し,さらに47年には業務災害を広くカバーする労働者災害補償保険法が公布された。また1938年には国民健康保険法も公布された。…

【労働者災害補償保険】より


[日本の制度]
 日本では,労働災害とその補償について,個々の使用者の直接的な災害補償を定める労働基準法(1947年公布。以下,労基法と略)と,労働災害に対する使用者の補償の分損化を社会保険の形で行う労働者災害補償保険法(1947公布)とがある。労基法は,労働者を雇用する企業=使用者の,労働災害に対する補償責任とその法定最低給付を定めている。…

【労働法】より

… 労働者保護については契約締結から解雇に至る労働条件の最低基準を包括的に定め(労働基準法。1947公布),保険制度を利用した労働災害補償制度を設立し(労働者災害補償保険法。1947公布),最低賃金の決定手続を定め(最低賃金法。…

※「労働者災害補償保険法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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