労兵評議会(読み)ろうへいひょうぎかい(その他表記)Räte

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「労兵評議会」の意味・わかりやすい解説

労兵評議会
ろうへいひょうぎかい
Räte

普通レーテと呼ばれる。ドイツの革命勢力の執行機関。中世から近代にかけてのドイツでは,国王領邦君主国務を補佐する参議官 (ラート Rat) が構成する評議会がレーテ (Ratの複数形) ,またはラートと呼ばれた。しかし今日最も広く用いられる意味においては,1918年 11月ドイツ革命の際につくられた労働者と兵士の権力組織をいう。 11月4日キール軍港で反乱を起した水兵たちと,それに呼応した労働者とが組織したのが始り。この運動はたちまち各地の都市に波及し,同月7日にはバイエルンにもレーテ共和国が成立した。またベルリンでも社会民主党と独立社会民主党から成る政府がベルリンの労兵評議会から人民代表委員会として承認され,一時はソビエト型の権力組織が革命を指導するかにみえた。しかし人民代表委員会の指導者 F.エーベルトはレーテでなく国民議会による政府の樹立を主張し,反対を押切って 19年1月国民議会選挙に踏切り,5月にはミュンヘンのレーテ共和国も打倒され,レーテ運動は終結した。

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