日本大百科全書(ニッポニカ) 「北方領土問題対策協会」の意味・わかりやすい解説
北方領土問題対策協会
ほっぽうりょうどもんだいたいさくきょうかい
北方領土(歯舞(はぼまい)諸島、色丹(しこたん)島、国後(くなしり)島、択捉(えとろふ)島)問題の解決を促進するための内閣府所管の独立行政法人。2003年(平成15)10月に独立行政法人北方領土問題対策協会法(平成14年法律第132号)に基づき設立された。前身は1961年(昭和36)設立の特殊法人「北方協会」で、1969年特殊法人「北方領土問題対策協会」となり、その後、独立行政法人となった。
北方領土は第二次世界大戦後、ソビエト連邦(現在はロシア連邦)に占領され、以後日本は一貫して返還を求めてきた。事業内容は、北方領土返還について国民世論の啓発を行うため、パンフレットなどの印刷物の発行や、講演会・講習会の開催、北方領土に関する調査・研究、元島民と北方領土に居住するロシア人との交流推進などである。また、元島民に対する援護や、旧漁業権者への漁業などの事業に対する貸付業務も行っている。なお、北方館(根室(ねむろ)市)、別海(べつかい)北方展望塔(別海町)、羅臼(らうす)国後展望塔(羅臼町)の施設を有する。
[編集部]