啓発(読み)ケイハツ

デジタル大辞泉 「啓発」の意味・読み・例文・類語

けい‐はつ【啓発】

[名](スル)《「論語」述而の「憤せざれば啓せず、せざれば発せず」から》人が気づかずにいるところを教え示して、より高い認識・理解に導くこと。「彼の意見には啓発された」「自己啓発
[類語]啓蒙教える蒙を啓く助言教示訓示アドバイスコンサルティングカウンセリング指導導き教え手引き指南教授教育訓育教導補導ほどう善導誘掖ゆうえき鞭撻べんたつ手ほどき教習コーチ伝授する講義する講ずる仕込むたたき込む育てる導く仕付ける教鞭を執る薫育教化教学文教育英ガイダンス手を取る示教指教徳育知育体育矯正薫陶入れ知恵洗脳感化徳化醇化

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精選版 日本国語大辞典 「啓発」の意味・読み・例文・類語

けい‐はつ【啓発】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「論語‐述而」の「不憤不啓、不悱不発」から ) 人を教え導き、目を開かせて、より高い知性や理解を与えること。また、一般の人が気づかないような点について、専門観点から教えること。開発。啓蒙(けいもう)
    1. [初出の実例]「聖人の教化をするは賢人を待て啓発す」(出典:応永本論語抄(1420)先進第十一)
    2. 「世界の中にすでに歌のたねがあり、それに心が感じ働くことにおいて歌が生ずるといふ説き方に、私は思ひまうけぬ啓発をうけた」(出典:宗祇私語(1965)〈唐木順三〉)
    3. [その他の文献]〔班固‐典引〕

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故事成語を知る辞典 「啓発」の解説

啓発

人が気づかずにいるところを教え示して、より高い認識・理解に導くこと。

[使用例] 私は成るべく彼女趣味を啓発するように、ちょっとした買物をするのにも自分一人ではめないで、彼女の意見を云わせるようにし[谷崎潤一郎痴人の愛|1924~25]

[由来] 「論語じゅつ」に出て来る、孔子ことばから。「ふんせざれば啓せず、せざれば発せず(理解できないでいらいらしているくらいでないと、ヒントはあげないし、なんとか理解できてもうまくそれを表現できずに苦しんでいるようでなければ、はっきりと教えることはしない)」とあります。「啓」は、理解に向けて導くこと、「発」は、はっきりと理解させること。ここから、「啓発」ということばが生まれました。

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普及版 字通 「啓発」の読み・字形・画数・意味

【啓発】けいはつ

導いて悟らせる。〔論語、述而〕せずんばせず、(ひ)せずんば發せず。

字通「啓」の項目を見る

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