北欧均衡(読み)ほくおうきんこう(その他表記)Nordic Balance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北欧均衡」の意味・わかりやすい解説

北欧均衡
ほくおうきんこう
Nordic Balance

第2次世界大戦後の東西冷戦時代に,北欧をめぐる国際関係に存在した均衡的安定の状態。戦後北欧諸国は,デンマークノルウェー北大西洋条約機構 NATOに加盟,フィンランドソ連友好・協力・不可侵条約 (→フィン=ソ友好条約 ) を締結,スウェーデンのみが伝統の中立政策を継続,というように安全保障政策をめぐって分裂した。しかし,デンマーク,ノルウェーは平時には国内に外国軍および核兵器をおかないという原則を守り,フィンランドは対ソ友好を通じて中立主義を堅持するという実情から,また米ソないし東西両陣営が北欧地域の現状変更を望まなかったという条件もあり,北欧地域は東西対立から隔離された緊張緩和地帯としての地位を保持していた。さらに,もし東西陣営の一方がこの状態を破って自己の勢力をこの地域に伸長させようとすれば,必ず他方がこれに対応した伸長を企てる恐れがあることから,一種の均衡状態が存在した。

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