日本歴史地名大系 「北海道の地名」の解説
北海道の地名
ほつかいどうのちめい
一冊 山田秀三著 昭和五九年 北海道新聞社刊
解説 山田秀三が昭和四六年に北海道庁河川課の委嘱でまとめた「北海道の川の名」を核に、同五六年の「北海道大百科事典」でのアイヌ語に由来する地名の部分を踏まえて新たに書下ろした北海道全域に及ぶアイヌ語地名解である。石狩・天塩・北見・根室・千島・釧路・十勝・日高・胆振・渡島・後志の一一地方に分ち、それらを河川筋や海岸、あるいは東部、中部などに地域を細分して、その地域のアイヌ語に由来する地名(河川・山・地点など)について解釈している。地名解釈は俗に山田流といわれる方法で、まず現在の地形の状況を述べ、秦檍丸や上原熊次郎、松浦武四郎、永田方正らの解釈を踏まえて、アイヌ語文法のうえからみて無理のない解釈を試みている。解釈に際しては、現地で地形をみ、土地の古老に聞き、今一度古典にあたる。そして断言することをさけ、可能性のみを提示する。さらにその地域の手書きの図を付記するが、本書では大縮尺の地図のみを用いている。索引も充実しており、北海道全域のアイヌ語地名解総論として使い勝手のいい資料となっている。平成一二年「山田秀三著作集」別巻収録。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報