胆振(読み)イブリ

デジタル大辞泉 「胆振」の意味・読み・例文・類語

いぶり【胆振】

北海道旧国名。北海道南西部にあたり、現在の胆振総合振興局後志しりべし渡島おしま石狩上川かみかわ総合振興局振興局の一部を含む。
北海道中南部の総合振興局。局所在地は室蘭市
[補説]アイヌ語地名を、明治時代に「胆振鉏いふりさへの蝦夷二十人」〈斉明紀〉によってあてたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「胆振」の意味・読み・例文・類語

いぶり【胆振】

  1. [ 一 ] 胆振国。旧北海道一一か国の一つ。北海道の南西部を占め、現在の後志(しりべし)、渡島(おしま)、胆振、石狩、上川の五支庁を含む。
  2. [ 二 ] 胆振支庁。北海道一四支庁の一つ。支庁所在地の室蘭市と苫小牧市を中心とする地域。西部は支笏洞爺国立公園の一部を含む。大正一一年(一九二二)室蘭支庁を改称成立。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「胆振」の意味・わかりやすい解説

胆振(支庁)
いぶり

北海道南部の内浦湾(噴火湾)から、絵鞆(えとも)半島を経て、沙流(さる)川河口付近に至る、太平洋岸一帯の町村を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって胆振総合振興局に改称・改組された。旧胆振支庁の所管区域は豊浦(とようら)、壮瞥(そうべつ)、白老(しらおい)、厚真(あつま)、安平(あびら)、むかわ、洞爺湖(とうやこ)の7町。支庁所在地は室蘭市(むろらんし)。原則として市域は所管外であるが、室蘭、苫小牧(とまこまい)、登別(のぼりべつ)、伊達(だて)の4市を含む地域を意味する場合もあり、また実務上も市域を含めて管内とされることが多かった。

 古い後志(しりべし)火山群の噴出物に覆われた台地が生活の土台となっているが、太平洋岸に面した諸河川の下流部には沖積平野が広がる。北海道としては気候温暖で、冬も山岳部を除くと一般に雪が少ない。この地域を結ぶJR室蘭本線、千歳(ちとせ)線、日高本線と、道央自動車道、国道36号、37号を主とする道路網は、道央と道南を結ぶ幹線であり、さらに室蘭、苫小牧両港からは本州に通じる航路もある。室蘭市から苫小牧市に至る従来の工業地域に加え、苫小牧市、厚真、むかわ、安平各町にわたる新しい苫小牧東部工業地域(苫東工業地域(とまとうこうぎょうちいき))が1969年(昭和44)計画決定され、発展が期待されたが、1970年代の石油危機とその後の経済情勢の変化で期待どおりには進んでいない。農業は海抜高度や消費地への距離に応じて多様で、むかわ、厚真両町の米作、安平町、洞爺湖町の酪農、伊達市、洞爺湖町の園芸農業と、地域により特色がみられる。支笏(しこつ)洞爺国立公園をもち、登別温泉や洞爺湖、学術的にも著名な昭和新山、有珠(うす)山など観光資源も豊かであるが、有珠山の火山被害を被ることがある。

[奈良部理]


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百科事典マイペディア 「胆振」の意味・わかりやすい解説

胆振[支庁]【いぶり】

北海道南西部の支庁。胆振国の大部分を占め,虻田(あぶた),有珠(うす),白老(しらおい),勇払(ゆうふつ)の4郡がある。太平洋および内浦湾に面し,東に夕張山地,西に火山群,中央に勇払平野をもつ。支庁所在地は室蘭市。支庁制度改革に伴い2010年4月,胆振総合振興局となる。
→関連項目北海道

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