日本歴史地名大系 「北海道蝦夷語地名解」の解説
北海道蝦夷語地名解(蝦夷地名解)
ほつかいどうえぞごちめいかい
一冊 永田方正著 明治二四年 北海道連合教育会刊
解説 北海道庁嘱であった永田方正が北海道長官の命で編纂したもので、支庁ごとにまた河川筋ごとにアイヌ語に由来する地名を解釈する。序文で「簿記ニ地図ニ其訛謬少シトセズ、且ツあいぬト雖モ久シク和人ニ接スル者及壮年輩ニ至テハ頗ル訛音アリ、(中略)地名ノ原語ハ唯故老あいぬノ頭上ニ在テ存スルノミ。若シ故老あいぬ死スレバ地名モ亦従テ亡ブ」と感懐を記した。初版にはアイヌ語に由来する地名を記した北海道全図を付したが、二版以降は地図を割愛、かわりにJ・バチェラーの「アイヌ地名考」を付している。アイヌ語の現用地名をあげ、それをローマナイズして解釈する。収録地名数が最も多く、かつ分析的であるため、現在なお座右の資料として活用されているが、知里真志保が指摘している様々な欠陥もまたある。利用に際しては高い語学力を必要とする。昭和四七年復刻。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報