北蝦夷図説(読み)きたえぞずせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北蝦夷図説」の意味・わかりやすい解説

北蝦夷図説
きたえぞずせつ

一名『銅柱餘録』。4巻。間宮倫宗口述,秦貞廉編として安政2 (1855) 年刊行された。間宮倫宗が文化5 (1808) 年から2ヵ年にわたって樺太 (サハリン) の北端近くまで探検したおりの見聞を記録したもので,樺太先住民の風俗誌としてまとまった最初のものである。地勢産物,居家,器械,産業,交易,冠婚,葬祭,南方初島郡,オロッコ夷,スメレンクル夷などの各部から成る。原本あるいは原本に近いと思われる写本『銅柱餘録』の挿図,付図は正確で巧み,よく樺太先住民の様相を伝えているが,刊本の図は浮世絵師の筆になり,改変されて真実味を欠いている。

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