北野廃寺跡(読み)きたのはいじあと

国指定史跡ガイド 「北野廃寺跡」の解説

きたのはいじあと【北野廃寺跡】


愛知県岡崎市北野町にある寺院跡。矢作(やはぎ)川流域にある飛鳥時代後期の寺院跡で、県下最古のものと推定される。境内の広さは東西126.5m、南北146mと広大で、四方には土塁がめぐり、この地の権力者、物部氏が建立したといわれる。礎石と多量の布目瓦が出土し、とくに塔心礎は径2m余、柱孔85cm、一方に幅4cm弱の水抜き溝があって完全に保存されている。伽藍(がらん)配置は南大門や中門、三重塔、金堂講堂が一直線上に並ぶ四天王寺式で、出土品の六葉蓮華文軒丸瓦(のきまるがわら)などは創建当時のものと推定されている。1929年(昭和4)に国の史跡に指定され、新たに回廊跡や僧坊跡、方形状に周囲をめぐる土塁が発掘されたので、その部分を含め、1988年(昭和63)に旧寺域全体が追加指定された。現在は史跡公園として整備されている。名鉄名古屋本線東岡崎駅から名鉄バス「北野」下車、徒歩約3分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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