北鬼柳村(読み)きたおにやなぎむら

日本歴史地名大系 「北鬼柳村」の解説

北鬼柳村
きたおにやなぎむら

[現在地名]江釣子村北鬼柳

鳩岡崎はとおかざき村の南東上江釣子村の東に位置し、東流する和賀川下流北岸の台地上に立地。南は和賀川を挟んで下鬼柳村・上鬼柳村(現北上市)に接する。標高七一メートルの微高地に下谷地しもやち遺跡がある。昭和四八年(一九七三)・四九年の調査によって、平安時代の大量の墨書土器、椀・皿・杵・木槌下駄などの木製品、「庁 三月二日」などと記された木簡出土。和賀郡衙などの官衙に関連する遺跡と推定されている。嘉元二年(一三〇四)四月二四日の関東下知状案(鬼柳文書)に鬼柳村がみえ、和賀氏庶流鬼柳光義の遺領は、次男憲義の相伝と認められた。鎌倉後期の和賀氏系図(同文書)によれば、和賀行蓮(義行)次女が「新田郷并岳田郷・渭山郷・黒沢尻野馬」を譲られている。新田あらた岳田おかだ(岡田)・渭山(曾山)当地内に地名が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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