匿・囲(読み)かくまう

精選版 日本国語大辞典 「匿・囲」の意味・読み・例文・類語

かくま・う かくまふ【匿・囲】

〘他ワ五(ハ四)〙 人や物を見つからないように、こっそり隠しておく。人を、その人を捜している者に見つからないように保護してやる。
浄瑠璃出世景清(1685)二「一両年は、おはりの国あつたの大ぐじにかくまはれ」
油地獄(1891)〈斎藤緑雨〉九「写真は、机の抽斗の錠のある方の奥へ蔵(カク)まはれ、日に夜に幾度か取出されて」
[補注]連用形「かくまい」は「かくまえ」となることがある。「浮世草子・本朝桜陰比事‐五」の「中間として此男をかくまへ置、人の通ひなきうら借屋に置て」や「浄瑠璃・蝉丸‐二」の「宮をかくまへ奉り、夜中に門をひらかん事不覚の至り」など。

かくまい かくまひ【匿・囲】

〘名〙 (動詞「かくまう(匿)」の連用形の名詞化) 人に知られずにひそかにものを貯えること。用意をすること。また、そのもの。かくまえ。
歌舞伎・伊達競阿国戯場(1778)大詰「相応に貯畜(カクマヒ)も有って」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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