精選版 日本国語大辞典 「出世景清」の意味・読み・例文・類語
しゅっせかげきよ【出世景清】
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浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。時代物。5段。近松門左衛門作。1685年(貞享2)2月、大坂・竹本座初演。謡曲『大仏供養(だいぶつくよう)』や幸若(こうわか)舞曲・古浄瑠璃の『景清』をもとに、平家滅亡後の遺臣悪七兵衛景清の事跡を描いたもの。源頼朝(よりとも)への復讐(ふくしゅう)に辛苦を続けた景清が、ついに捕らえられて首を討たれるが、清水観世音(きよみずかんぜおん)の身替りで生き返り、その霊験に感じた頼朝から赦免されたあと、煩悩(ぼんのう)を払うべく自ら両眼をえぐって盲目になり、日向(ひゅうが)島へ下るまで。この間、景清が東大寺再建の人夫となって入り込み畠山重忠(はたけやましげただ)に見破られること、愛人阿古屋(あこや)が兄十蔵にそそのかされ嫉妬(しっと)のために訴人すること、景清の妻である熱田(あつた)大宮司の娘小野姫が拷問されること、改悟した阿古屋が自害し、入牢(じゅろう)した景清が牢を破って十蔵を殺すことなどを織り込んでいる。近松が初世竹本義太夫と提携した第一作で、説話的な古浄瑠璃と一線を画する劇的な新浄瑠璃の端緒になった画期的な作品。数多い「景清物」の基本で、「牢破りの景清」「阿古屋の琴責め」などの原型も含む。
[松井俊諭]
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人形浄瑠璃。時代物。5段。近松門左衛門作。1685年(貞享2)頃二の替り大坂竹本座初演という。前年,京から大坂に下った宇治加賀掾に対抗した竹本義太夫が,はじめて近松に執筆を依頼した作品。内容は平家の落人景清の源頼朝への復讐を軸に,彼をめぐる2人の女性の生き方をからませたもの。謡曲「大仏供養」,舞曲「景清」などによるが,登場人物の描写にすぐれ,内容も変化にとみ,後世の作品に大きな影響を与えた。初演の年は,東大寺大仏修復の大勧進の開始や,源平合戦の武将たちの五百年忌にあたるのでこの題材が選ばれた。本作を当流浄瑠璃(義太夫節)の最初とし,これより前の作品を古浄瑠璃とよぶ慣習に対し,近年疑義がだされている。
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…近松門左衛門作《出世景清》,文耕堂・長谷川千四合作《壇浦兜軍記》などに登場する清水坂の遊女で,景清の愛人。幸若・古浄瑠璃《景清》では〈あこ王〉とある。…
…それは語り物とはいえ,ドラマの本質を備えた戯曲を得てはじめて真の達成をみるべきものである。 85年近松門左衛門が義太夫の門出を祝って執筆した《出世景清》は,孤独の勇者景清と彼を愛するゆえに裏切りを犯す阿古屋との深刻な葛藤を扱い,義太夫節の出発点にふさわしい,近世悲劇(広末保《近松序説》参照)の本質を備えた作品であった。1703年(元禄16)近松・義太夫コンビによる最初の世話浄瑠璃《曾根崎心中》が上演され,人形浄瑠璃の現代劇化はいっそう推し進められた。…
※「出世景清」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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