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出世景清 しゅっせかげきよ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

出世景清
しゅっせかげきよ

浄瑠璃。時代物。5段。近松門左衛門作。貞享2 (1685) 年大坂竹本座初演。竹本義太夫のために書いた最初の作。幸若舞曲や古浄瑠璃の『景清』に基づき,平家の残党悪七兵衛景清が源頼朝の命をねらって失敗,入牢するが,観音の力で救い出され,盲目となって日向に下ることなどを綴る。当流浄瑠璃の初めとされる作品。そのほか景清物の浄瑠璃としては,『大仏殿万代石楚』『壇浦兜軍記』『傾城阿古屋の松』『嬢 (むすめ) 景清八嶋日記』などがある。

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デジタル大辞泉の解説

しゅっせかげきよ【出世景清】

浄瑠璃。時代物。五段。近松門左衛門作。貞享2年(1685)大坂竹本座初演。幸若舞曲「景清」や謡曲「景清」「大仏供養」などをもとに脚色。近松が初世竹本義太夫のために書いた最初の作品。浄瑠璃史では、これ以前を古浄瑠璃、以後を当流浄瑠璃または新浄瑠璃とよぶ。

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百科事典マイペディアの解説

出世景清【しゅっせかげきよ】

近松門左衛門作の浄瑠璃。時代物。1685年初演。平家滅亡後,源頼朝を敵(かたき)とねらう悪七兵衛(あくしちびょうえ)景清の苦心を描く。近松が初世竹本義太夫のために書いた第1作。
→関連項目阿古屋の琴責景清竹本座

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世界大百科事典 第2版の解説

しゅっせかげきよ【出世景清】

人形浄瑠璃。時代物。近松門左衛門作。大坂竹本座初演。1685年(貞享2)正月,京から大坂道頓堀に下り競演を挑んだ宇治加賀掾座の二の替り《凱陣八島》(3月下旬まで上演)に対抗して,竹本義太夫が初めて近松に創作を依頼してできた曲で,貞享2年二の替りと推定される(従来は《外題年鑑》の貞享3年説)。5段曲。大筋は能《大仏供養》,幸若舞曲《景清》,古浄瑠璃《かげきよ》に拠るが,この年東大寺大仏修復の大勧進が開始された事件の当込みがある。

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大辞林 第三版の解説

しゅっせかげきよ【出世景清】

人形浄瑠璃。時代物。通称「景清」。近松門左衛門作。1685年初演。初世竹本義太夫のために近松が初めて執筆した作品。幸若舞曲・古浄瑠璃に取材。源頼朝を討とうとして果たせず入牢させられた平景清が、観音の功徳に助けられ、最後に自らの非を悟り両眼をえぐって日向ひゆうがに下るというもの。説話的な古浄瑠璃を脱した画期的な作品で、これ以後を、新浄瑠璃の時代とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

出世景清
しゅっせかげきよ

浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。時代物。5段。近松門左衛門作。1685年(貞享2)2月、大坂・竹本座初演。謡曲『大仏供養(だいぶつくよう)』や幸若(こうわか)舞曲・古浄瑠璃の『景清』をもとに、平家滅亡後の遺臣悪七兵衛景清の事跡を描いたもの。源頼朝(よりとも)への復讐(ふくしゅう)に辛苦を続けた景清が、ついに捕らえられて首を討たれるが、清水観世音(きよみずかんぜおん)の身替りで生き返り、その霊験に感じた頼朝から赦免されたあと、煩悩(ぼんのう)を払うべく自ら両眼をえぐって盲目になり、日向(ひゅうが)島へ下るまで。この間、景清が東大寺再建の人夫となって入り込み畠山重忠(はたけやましげただ)に見破られること、愛人阿古屋(あこや)が兄十蔵にそそのかされ嫉妬(しっと)のために訴人すること、景清の妻である熱田(あつた)大宮司の娘小野姫が拷問されること、改悟した阿古屋が自害し、入牢(じゅろう)した景清が牢を破って十蔵を殺すことなどを織り込んでいる。近松が初世竹本義太夫と提携した第一作で、説話的な古浄瑠璃と一線を画する劇的な新浄瑠璃の端緒になった画期的な作品。数多い「景清物」の基本で、「牢破りの景清」「阿古屋の琴責め」などの原型も含む。[松井俊諭]

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世界大百科事典内の出世景清の言及

【阿古屋】より

…近松門左衛門作《出世景清》,文耕堂・長谷川千四合作《壇浦兜軍記》などに登場する清水坂の遊女で,景清の愛人。幸若・古浄瑠璃《景清》では〈あこ王〉とある。…

【人形浄瑠璃】より

…それは語り物とはいえ,ドラマの本質を備えた戯曲を得てはじめて真の達成をみるべきものである。 85年近松門左衛門が義太夫の門出を祝って執筆した《出世景清》は,孤独の勇者景清と彼を愛するゆえに裏切りを犯す阿古屋との深刻な葛藤を扱い,義太夫節の出発点にふさわしい,近世悲劇(広末保《近松序説》参照)の本質を備えた作品であった。1703年(元禄16)近松・義太夫コンビによる最初の世話浄瑠璃《曾根崎心中》が上演され,人形浄瑠璃の現代劇化はいっそう推し進められた。…

※「出世景清」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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