十二門論(読み)ジュウニモンロン

デジタル大辞泉 「十二門論」の意味・読み・例文・類語

じゅうにもんろん〔ジフニモンロン〕【十二門論】

インド古代の仏教書。1巻。竜樹著。409年に、鳩摩羅什くまらじゅう漢訳大乗仏教の空観の理を12章に分けて解説したもの。三論の一で、三論宗の根本聖典。

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精選版 日本国語大辞典 「十二門論」の意味・読み・例文・類語

じゅうにもんろんジフニ‥【十二門論】

  1. 仏典龍樹ナーガールジュナ)が著わした大乗空観の理を一二章に分けて解説したもので、同じ著者の「中論」の綱要書。弘始一一年(四〇九)、鳩摩羅什(くまらじゅう)が漢訳した。三論宗の根本聖典の一つ

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世界大百科事典(旧版)内の十二門論の言及

【提婆】より

…著作には《四百論》《百論》《百字論》があるが,《智心髄集》という仏教綱要書は提婆に帰せられるものの,後代の作である。なお《百論》は《中論》《十二門論》とともに三論宗で重視されたため,古来,中国,日本でよく学ばれた。【松本 史朗】。…

【竜樹】より

…竜樹の真作とされるものには,そのほかに《廻諍論(えじようろん)》《空七十論》《広破論》などがある。漢訳にのみ存し真作が疑われるが,中国,日本に重要な影響を与えたものに,《十二門論》《大智度論(だいちどろん)》《十住毘婆沙論(じゆうじゆうびばしやろん)》がある。竜樹の思想は,クマーラジーバ(鳩摩羅什)によって中国に伝えられ,その系統から〈三論宗〉が成立した。…

※「十二門論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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