精選版 日本国語大辞典 「龍樹」の意味・読み・例文・類語
りゅうじゅ【龍樹】
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インドの最大の仏教学者。原名はナーガールジュナNāgārjuna。南インドの出身。当時のインド諸思想を学んだのち北インドに赴いて、仏教、とくに新興の大乗仏教思想に通暁して、その基礎づけを果たし、晩年は故郷に帰った。主著に『中論』『廻諍(えじょう)論』『大智度(だいちど)論』『十住毘婆沙(じゅうじゅうびばしゃ)論』『ラトナーバリー』その他がある。『中論』において確立された空(くう)の思想は、彼以後のすべての仏教思想に最大の影響を与えている。すなわち、実体(自性(じしょう))をたて、実体的な原理を想定しようとするあり方を、この書は徹底的に批判し去り、存在や運動や時間などを含むいっさいのものが、他との依存、相待、相関、相依の関係(縁起(えんぎ))のうえに初めて成立することを明らかにする。そしてその相関関係は肯定的、否定的、矛盾的などさまざまな姿があり、いずれをとっても独立存在は不可得であって、空といわざるをえない。その究極の絶対的立場(真諦(しんたい)・第一義諦)は、言語表現に基づく日常的な真理(俗諦・世俗諦)によりつつ、それを超越して、語られず、表現されえない。空の立場からすれば、一方に偏ることがないから、それは中道ともいわれ、彼の学派は後世中観(ちゅうがん)派とよばれた。後代のインド、チベット、中国、日本の大乗仏教のすべてから、龍樹はおのおのの「祖」として尊敬される。
[三枝充悳 2016年12月12日]
『梶山雄一・瓜生津隆真訳『龍樹論集』(『大乗仏典14』1974・中央公論社/中公文庫)』▽『三枝充悳訳注『中論』全3巻(第三文明社・レグルス文庫)』▽『中村元著『ナーガルジュナ』(『人類の知的遺産13』1980・講談社)』▽『瓜生津隆真著『ナーガルジュナ研究』(1985・春秋社)』
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