空観(読み)くうがん

世界大百科事典 第2版の解説

くうがん【空観】

すべての事物は〈空(くう)〉であると観ずる仏教の観法。〈空〉とはサンスクリットでシューニヤśūnya(形容詞)といい,一般にはあるものに他のものがないとき,前者は後者について空であると表現する。空観という用語自体は中国仏教において成立したものであるが,これをインド仏教にあてはめるならば,およそ3種の空観が存在したと言える。 第1は,原始仏教から部派仏教にかけて行われたもので,すべての存在を五蘊(ごうん),十二処,十八界などの諸要素(法)に分析し,そこに自我はない(人空)と見るものである。

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大辞林 第三版の解説

くうがん【空観】

〔「くうかん」とも〕
〘仏〙 すべての事物は本質をもつ実体として存在しているのではない、という真理を認識すること。

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世界大百科事典内の空観の言及

【般若経】より

…ただし単一の経典ではなく,諸種の般若経典を総称したもの。何ものにもとらわれない〈空観(くうがん)〉の立場に立ち,またその境地に至るための菩薩の〈六波羅蜜(ろくはらみつ)〉の実践,とくに〈般若波羅蜜〉の体得が強調される。そこから従来の部派仏教に対しては厳しい批判的な態度をとる。…

※「空観」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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