三論(読み)サンロン

デジタル大辞泉 「三論」の意味・読み・例文・類語

さん‐ろん【三論】

三論宗がよりどころとする3種の経典竜樹の「中論」「十二門論」、およびその弟子提婆だいばの「百論」。
三論宗」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「三論」の意味・読み・例文・類語

さん‐ろん【三論】

  1. 〘 名詞 〙 仏語
  2. 三論宗のよりどころとなる経典で、中論(中観論)・十二門論・百論の三つの論書。
    1. [初出の実例]「大宝元年随使入唐、渉覧経典。尤精三論、養老二年帰朝」(出典:続日本紀‐天平一六年(744)一〇月辛卯)
  3. さんろんしゅう(三論宗)」の略。
    1. [初出の実例]「三論法相、両宗菩薩、目撃相諍。蓋欲後代学者、以競此理」(出典:日本後紀‐延暦二三年(804)正月癸未)
    2. 「道慈をば大安寺に令住めて三論を学し」(出典:今昔物語集(1120頃か)一一)

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普及版 字通 「三論」の読み・字形・画数・意味

【三論】さんろん

三種論語。魏・何晏〔論語集解叙〕齊論に問王・知り、魯論より多きこと二。古論語も亦た此の二無く、堯曰の下、子張問をちて以て一と爲し、兩子張り。

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百科事典マイペディア 「三論」の意味・わかりやすい解説

三論【さんろん】

仏教三論宗の根本聖典。竜樹(りゅうじゅ)の《中論》4巻,《十二門論》1巻と提婆(だいば)の《百論》2巻(ともに青目(しょうもく)・羅什(らじゅう)訳)の3書をいう。般若の〈空〉を立論根幹とし,〈八不中道〉を説く。
→関連項目三論玄義

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三論」の意味・わかりやすい解説

三論
さんろん

三論宗の根本聖典であり,それによって三論宗が成立したところの3種の論書 (哲学書) のこと。 (1) 龍樹著『中論』,(2) 同『十二門論』,(3) 提婆著『百論』の3種。

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世界大百科事典(旧版)内の三論の言及

【三論玄義】より

…中国,陳から唐初に活躍した学僧,吉蔵の著。三論とは2~3世紀ごろのインドの竜樹(ナーガールジュナ)が書いた《中論》と《十二門論》およびその弟子の提婆(だいば)の著《百論》の三つを指し,クマーラジーバの中国訳によって,これらは《般若経》の説く空観の精髄を示すとされ,〈三論宗〉なる宗派が成立する根拠となるのだが,《三論玄義》はその教科書であると同時に,空観を最も簡明に要約し解説した仏教入門書でもある。【川勝 義雄】。…

※「三論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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