千々賀村(読み)ちちかむら

日本歴史地名大系 「千々賀村」の解説

千々賀村
ちちかむら

[現在地名]唐津市千々賀

村の南東波多はた川(徳須恵とくすえ川)左岸の平坦地で、北部は丘陵地。かつては松浦潟に面していた。古くから開け、弥生時代の遺跡に庚申山こうしんやま古園ふるぞの、古墳時代の遺跡として天神社てんじんしや・古園がある。字千々賀から石器・弥生式土器・土師器須恵器青磁などが出土し、弥生時代以降の集落の存在を示している。字甘木あまぎからは奈良時代の瓦が出土し、河原かわら橋周辺からは奈良・平安時代の瓦窯跡が発見されている。また条里制のなごりとして、字名に敷坪しきつぼはちつぼ大坪などがあり、さらに字の寺元てらのもと・千々賀から中世初期の経塚が発見されている。

鎌倉末期と推定される肥前国御厨庄斑島相伝次第(有浦家文書)に「斑島行法嫡女、千々賀原女党」とあり、また「佐志与三殿千々賀五郎四郎殿相論候斑島事」と「千々賀」を記す源広の正平二三年(一三六八)卯月一三日付書状(同文書)がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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