松浦潟(読み)マツウラガタ

日本歴史地名大系 「松浦潟」の解説

松浦潟
まつらがた

松浦川の河口一帯はかつて松浦潟と称した。標高四メートルの線に貝塚の跡がみられ、弥生期以前はかがみ山の周辺は遠浅の潟であったことを示している。「和名抄」にいう古代の大沼・生佐・久利の各郷や磐氷・大村各駅はこの海岸に沿ってあり、古代の官道もこの海岸線を結んでいた。

この潟は、松浦川および玉島たましま川などの河川の運ぶ砂土が玄界灘の波濤により緩やかに沖積されて陸地になったものである。

天平二年(七三〇)山上憶良

<資料は省略されています>

と風光を愛でている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「松浦潟」の意味・わかりやすい解説

松浦潟
まつうらがた

「まつらがた」ともいう。佐賀県北西部,東松浦半島東岸の唐津湾に面する虹ノ松原付近一帯の海域。景勝地で,海水浴場があり,海岸にホテル保養所などが立並ぶ。背後にある松浦佐用姫伝説で有名な鏡山とともに玄海国定公園に属する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の松浦潟の言及

【唐津湾】より

…玄界灘に面する。湾奥部一帯は古来中国,朝鮮方面への要津をなし,松浦潟(まつらがた)とも称した。湾内には玄武岩をのせるテーブル状の高島や大島などが浮かぶ。…

※「松浦潟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む