千千(読み)チヂ

デジタル大辞泉 「千千」の意味・読み・例文・類語

ち‐ぢ【千千】

[名・形動]
数が非常に多いこと。また、そのさま。「大波千千に砕け散る」
種類変化などに富むこと。また、そのさま。さまざま。「心が千千に乱れる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「千千」の意味・読み・例文・類語

ち‐ぢ【千千】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「ぢ」はもと「一つ」の「つ」などと同じ数詞につく接尾語という。→ )
  2. 千個。また、非常に数の多いこと。数千。あまた。たくさん。
    1. [初出の実例]「千々の秋ひとつの春にむかはめや紅葉も花もともにこそ散れ」(出典:伊勢物語(10C前)九四)
    2. 「嶋々や千々にくだけて夏の海」(出典:俳諧・蕉翁文集(1699‐1709頃))
  3. 種類の多いさま。変化に富んださま。いろいろ。さまざま。種々。くさぐさ。
    1. [初出の実例]「月みればちぢにものこそかなしけれわが身ひとつの秋にはあらねど〈大江千里〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・一九三)
    2. 「心は千々にみだるれど」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)三)

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